理系の鳩山首相を同じく理系の高橋洋一、竹内薫 両氏が解剖した書である。
帯にあるように「面白い」「痛快」である。
しかも「分かりやすい。」
でも、もう少し難しくてもいいし、ボリュームがあってもいいから、きちんと分析した本を読みたいとも思いました。
「原子力発電の割合を上げれば、温暖化ガス削減は達成できるが、国民感情として、イメージで原子力発言=原爆となっているとか、ものの善し悪しをフィーリングで決めているとか、」
全く同感ですね。
それから、「鳩山政権の支持母体が日教組、自治労、パチンコ業界」 へーー
びっくり
しかし、普天間移設問題の最近の迷走ぶりをみると、この人たちは、基地問題に関する地元対策とか、外交の米側交渉とか、全然できるようには思えませんね。
まぁ、これまで、政治ではなくて、国内の選挙対策しかしてないので仕方ないかもしれませんが、
政権とったあとでも選挙対策しかしていない人もいますが・・
2010年2月22日月曜日
日本の戦争力
小川和久 著
戦争力とといっても、軍事技術だけでなく、軍事力を背景にした日本の外交力の話です。
特に面白かったのが、国境警備と国連軍の話
まず国境警備については、
「何故、多くの国が軍隊と国境警備隊などの準軍隊の両方をもっているかといえば、必ず起きると考えなければならない国境紛争を戦争にエスカレートさせないためであり、
陸上であると海上であるとを問わず、国境地帯で国同士の利害が衝突し、紛争が起きるのは常識である。
その現実は、領有権や海洋資源をめぐって中国や韓国との間で緊張が高まっている日本周辺海域をみても明らか国境侵犯や不審船など重大な主権侵害を放置すれば独立国家が成り立たなくなる。そのたびに軍隊組織を紛争処理に乗り出すのではなく、まずは、国境警備隊が出動して事態収拾を図る。」
これが、世界の主権国家の常識なのでしょうね。
今、沖縄の基地問題、特に普天間移設について、もめにもめていますが、
日米安保や、米軍の駐留がどうなるにせよ、沖縄の島々の周辺海域が、国境に接していることは、変えようがないし、しかも海上であることにより、国境線があいまい、関連する国と地域も、日本、米国、中国、台湾、韓国、(んん北朝鮮もかな?)とたくさんあって、利害衝突や緊張が高まる可能性は常にあるし、たぶん、近い将来は、少なくとも今と同じぐらいの緊張を覚悟するしかないのでしょう。
ということも考えた上で、沖縄の基地問題を考えないといけないのでしょうね。
国連軍については、
「朝鮮戦争を戦った国連軍は、現在も韓国と日本に駐留している。
韓国(竜山:2012年に平沢に移転)に国連軍司令部
司令官は、在韓米軍司令官が兼任:要員400人、15カ国で編成
日本では東京都横田に国連軍後方司令部(要員38人)、8カ国で編成
要員38人は、国連軍要員として指名された米軍人が主体
3〜4ヶ月に1回合同会議を開催し、各国の在日駐在武官も出席
在日米軍基地のうち
キャンプ座間、横田、横須賀、佐世保、嘉手納、普天間、ホワイトビーチの7ヶ
所が国連軍基地に指定され、日章旗と星条旗にならんで国連旗がはためく」
ということが分かったのですが、昨年8月の普天間フェスタで普天間基地の中に入ったところで
国連旗、見ましたよ。不思議に思っていたのですが、これで氷解
幻想の島・沖縄
「幻想の島・沖縄」を読み終えた。
著書の大久保 潤氏は、日本経済新聞社の記者で沖縄支局長の経験を持つだけあり、沖縄の、特に基地問題について冷静な分析、主張となっていると感じる。
沖縄については、戦争やその後の米軍統治、日本復帰などをひきずり、やもすれば感情的な議論が多すぎるように感じてきた。
沖縄に対し、耳の痛い話、視点を加味した本である。
これまで癒しの島であるとか、沖縄戦、悲劇の島とかに対し、批判的な論評も含まれている。奧野修司氏の「沖縄幻想」とか花村萬月氏「沖縄を撃つ」など、最近の沖縄本に増えてきた傾向である。
まぁ、もともと、沖縄を癒しの島とみていたのが、沖縄好きの人たちの勝手な思い込みだったといえばそうだし、沖縄に住んでいる人は、全然そんなことは思ってもいなかったということもあるかもしれない。
それは置いといて、だ
前半はそれなりに、おもしろく読めたのですが、最後に違和感を感じたのは、「国際関係における問題は最終的に国際機構のようなもので解決したい。」という、まぁ言ってみれば、日本国憲法の理念のような結論になったことです。
これは憲法9条をもつ日本国民としては当然のことなのでしょうが、ただ、それは米国や中国も
同様に考えないと意味がないと思うし、米国は多分ヨーロッパ諸国が元々持っている「力の政治」「勢力均衡のための同盟重視」が安全保障の基本ではないでしょうか。
中国がどういう考えなのか、良くわからないのですが。
そういう中で、周りの国とは別に、日本だけが独自の日本国憲法の理念(平和主義)で沖縄の基地問題(日本の安全保障)を議論することが適当なのでしょうか。
また、東京にいると、在日米軍が日本とアジアの安定に寄与しているという実感がない。
という点には、疑問を抱かざるを得ない。
実感がないことが大事で、それが平和ということなのではないかと思うし、米軍が沖縄だけでなく、日本に駐留している必要があるかどうかはまさに、、東京を中心に議論すべき話なのだと思いますけど、
30年前の『関東移設計画』(人口密集地に集中していた首都圏中心部にあった米軍基地を周辺部に移設)の歴史も勉強する必要がありますね。
著書の大久保 潤氏は、日本経済新聞社の記者で沖縄支局長の経験を持つだけあり、沖縄の、特に基地問題について冷静な分析、主張となっていると感じる。
沖縄については、戦争やその後の米軍統治、日本復帰などをひきずり、やもすれば感情的な議論が多すぎるように感じてきた。
沖縄に対し、耳の痛い話、視点を加味した本である。
これまで癒しの島であるとか、沖縄戦、悲劇の島とかに対し、批判的な論評も含まれている。奧野修司氏の「沖縄幻想」とか花村萬月氏「沖縄を撃つ」など、最近の沖縄本に増えてきた傾向である。
まぁ、もともと、沖縄を癒しの島とみていたのが、沖縄好きの人たちの勝手な思い込みだったといえばそうだし、沖縄に住んでいる人は、全然そんなことは思ってもいなかったということもあるかもしれない。
それは置いといて、だ
前半はそれなりに、おもしろく読めたのですが、最後に違和感を感じたのは、「国際関係における問題は最終的に国際機構のようなもので解決したい。」という、まぁ言ってみれば、日本国憲法の理念のような結論になったことです。
これは憲法9条をもつ日本国民としては当然のことなのでしょうが、ただ、それは米国や中国も
同様に考えないと意味がないと思うし、米国は多分ヨーロッパ諸国が元々持っている「力の政治」「勢力均衡のための同盟重視」が安全保障の基本ではないでしょうか。
中国がどういう考えなのか、良くわからないのですが。
そういう中で、周りの国とは別に、日本だけが独自の日本国憲法の理念(平和主義)で沖縄の基地問題(日本の安全保障)を議論することが適当なのでしょうか。
また、東京にいると、在日米軍が日本とアジアの安定に寄与しているという実感がない。
という点には、疑問を抱かざるを得ない。
実感がないことが大事で、それが平和ということなのではないかと思うし、米軍が沖縄だけでなく、日本に駐留している必要があるかどうかはまさに、、東京を中心に議論すべき話なのだと思いますけど、
30年前の『関東移設計画』(人口密集地に集中していた首都圏中心部にあった米軍基地を周辺部に移設)の歴史も勉強する必要がありますね。
2010年2月20日土曜日
登録:
投稿 (Atom)