元NHKワシントン支局長の日高義樹 著
オバマ政権下における米国の外交・軍事戦略が、中国との関係で変化する中で、日本の立つべき位置について解説している。
米国については、「中国という、大きくてまとまりのない国を助けることによって、アメリカの友好国にして、アジアの中心に据えたいと考えている。」と評価し、
また、米軍の変化の表れを
① アメリカ空母の削減
② 米軍基地の機能変化
(中国と北朝鮮のミサイル攻撃の危険を避け、米軍基地の本体をグアムのアンダーソン基地、ハワイのヒッカム基地、それにアラスカのエルメンドルフ基地に分散してしまっている。)
に見ている。
沖縄の海兵隊についても、
沖縄のアメリカ海兵隊がグアムに移転する本当の理由は、中国の戦略が変わったからであり、中国は通常型の戦争を仕掛けてはこない。ミサイルによる攻撃がアジアの戦争の中心になるこうしたミサイルの奇襲攻撃を避けるためには部隊を分散させなければならない。
としている。
この本にあるように、ミサイルの発達が、アジアにおけるアメリカの戦闘のやりかたを変え、在日米軍基地の役割が
「戦闘部隊を日本列島に展開し、台湾海峡や朝鮮半島で有事がおきた場合、日本基地から飛び立って戦闘行動に入ること。」
から
「緊急事態に対応するための安全な後方基地」
に変わってきているのであれば、沖縄の海兵隊が、グアムに移転するのは何を意味するのか?
沖縄の米軍基地を考える場合、中東やアフガニスタンの情勢が、米国の戦略にどういう影響を与えるかということ
だけでなく、今後の軍事技術の発達による影響も考慮する必要がある。
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